マディソン・ワイン
マディソン・ワインの所有者は、ワインの楽しみと同じくらい、ヴィンテージや希少なコレクションに情熱を注いでいます。ボルドーやブルゴーニュを中心に3,000以上のラベルを所有する中、私たちは彼のコレクションを収納しつつ、商品を魅力的に展示できるモダンな「ワインケーブ」の創造に挑戦しました。
伝統的な樽型ヴォールトのワインケーブから着想を得て、ワイン棚を単なる造作家具や収納としてではなく、空間を定義する要素として設計しました。所有者の要望で、「フラットワイン棚」(ボトルを直立して陳列)と「傾斜ワイン棚」(ボトルや箱を斜めに配置)の設計が必要となり、これらを対面配置することで、「洞窟へ入る」体験を演出しました。
素材面では、ワイン棚のフレームに熟成ウイスキーオーク材を採用し、壁面には化粧レンガ、床には耐火粘土レンガを指定。伝統的な素材を現代的な手法で使用し、24時間空調管理された空間に温かみをもたらす設計となっています。
ワインギャラリーを進むと、ワイン冷蔵庫の壁や、ワイン関連書籍・特別サイズのボトル・デザイナーのデキャンタ・希少なワインケースを展示するカスタム棚が広がります。ディスプレイコーナーと棚には鏡面仕上げのローズゴールドパネルを施し、照明器具や金物も同様の仕上げでアクセントを加えています。
地上階のワインギャラリーは低温環境でワインの保管に適した設計ですが、2階のVIPラウンジとテイスティングルームは、ワインの楽しみ・ディナーサービス・社交・カジュアルなビジネスミーティングを可能にする温かみのある空間になっています。8メートルのテイスティングテーブル(アフガンゴールドグラナイト天板)と、テーブル端にエタノール燃料の暖炉を設置。VIPラウンジは、所有者や会員専用の「リビングルーム」として、ヴィンテージレザーの家具・調光照明・暖炉を備え、階段の踊り場から炎が見えるデザインになっています。
310平方メートルの旗艦小売店は、所有者のさまざまな独自の要望に応える設計となっています。 ワインギャラリーの3,000ラベルを展示する小売スペース、ワイン冷蔵庫のプライベートコレクション、個人および限定利用のためのプライベートラウンジ、大規模な集まり向けの広々としたテイスティングルーム、さらにバックヤードスペースとして、管理オフィス、スタッフラウンジ、倉庫を完備しています。所有者にとって、マディソン・ワインは単なる小売店ではなく、ワインを楽しみ、愛するための「ホーム」なのです。